漬け物・漬け物ステーキ
冬の常備食として重宝されてきた
漬け物が食卓を彩るおかずに
標高の高い山々に囲まれ、冬は厳しい寒さとなる郡上の里山では、独特の食文化が生まれました。中でも食材が手に入れにくい冬を乗り切るための常備食として重宝されてきたのが発酵食品の「漬け物」です。白菜が収穫のシーズンを迎える11月頃から、各家庭で漬け物づくりが始まります。白菜やかぶを切って塩漬けにするシンプルな「切り漬け」が一般的ですが、赤かぶを加えたり、昆布や赤唐辛子を入れたりと、家庭やお店によってつくり方や味付けもさまざまです。
また、郡上ではこうした漬け物を鉄板や鍋で焼き、醤油や味噌で味付けをして卵でとじる「漬け物ステーキ」も郷土料理として食べられてきました。長く漬け込んで発酵が進み、やや酸味のあるしんなりとした漬け物が、熱することで旨みと甘みを増し、半熟のたまごとも絶妙にマッチします。今でも家庭で食されているほか、居酒屋などのメニューとしても人気です。