知れば知るほど奥深い
山城「篠脇城」の見どころ
さて、ここからは篠脇城跡へ向かうコースの見どころを紹介していきます。
登り口
篠脇城跡への登り口は東氏記念館から栗巣川にかかる古今橋をわたった、篠脇山の麓にあります。案内図を見ると、くねくねとつづら折りになった登山道の全容が確認できます。こちらに設置してある杖は、誰でも自由に利用することができます。山道はほとんどが舗装されていて歩きやすいのですが、部分的に急なところもあるので、借りておくと安心して登れます。
三十三観音
案内図に書かれている1から33の数字の場所には観音様が祀られており、道行の無事を見守ってくれます。その多くは道の折り返し地点にありますが、何体かは道から外れた場所にひっそりと佇んでいます。全部見つけられるでしょうか。
大手門通り
かつて、大手門があった通りもはっきりと残っています。少し険しい道のため、上りではなく、下りの際にこの大手門通りにチャレンジしてみるとよいかもしれません。往復で景色が変わり、よりハイキングを満喫できます。
水飲み場
山頂付近に広がる二の丸跡から約40m下った、登山道から脇にそれたところに、かつて水飲み場として使われていた取水地が残っています。当時、山城の山腹に飲料水を確保できる場所があったということは、非常に重要なことでした。現在の水量はそれほど多くなく、夏には水が枯れていることもありますが、今も水飲み場の名残を見ることができます。
腰曲輪・畝状竪堀(こしくるわ・うねじょうたてぼり)
篠脇城跡の最大の見どころともいえるのが、畝状竪堀です。竪堀とは、山の斜面に並行して作られた堀のこと。これによって斜面での横移動をしにくくさせ、敵の侵入を防ぐことができます。篠脇山には山頂から麓にかけて、城郭を起点として放射線状におよそ30本もの畝のような竪堀が残っており、少人数で城を防衛できる構えとなっていたことが分かります。天文9年(1540年)の朝倉勢襲来の時には、斜面の中腹に設けられた腰曲輪と呼ばれる区域に丸太や岩をためておき、敵が攻めてきたときにそれを竪堀から落として敵を撃退したと言われています。
本丸跡
登り口から各所に篠脇城の名残を確認しながら山道を登ること約30分。突然目の前が開け、山頂の本丸跡にたどり着きます。本丸は約1,000㎡の平地。中央付近には城主東氏の墓碑、周囲にはこんもりと盛り上がった土塁も見られ、そこに確かに篠脇城が存在していたことが感じられます。