夏休みに出かけたい! 子どもが喜ぶ郡上の川遊び&「ヤナ」
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岐阜県の県魚でもある鮎。郡上では夏になると鮎釣りや鮎漁が盛んに行われ、なかでもヤナによる鮎漁は夏の風物詩のひとつです。ヤナ漁とは、産卵のために川を下る鮎を獲るため、河川の中に竹などで作る大がかりな仕掛けのこと。天然の「郡上鮎」とヤナ場での水遊びができるスポットは、ファミリーや仲間同士での夏のレジャーおすすめ!今回は、旧宮内省の御料場に指定されていた由緒ある場所にある「みやちか」へ行ってきました。全国屈指の清流・長良川上流部上川で育った鮎の味は格別に美味しい!と、明治から昭和初期にかけて皇室献上されていたという場所で獲れた天然鮎を堪能してきます。
かつて天皇に献上されたヤナ場で獲れた「郡上鮎」を堪能!
大自然を堪能しながら水遊びもできる、贅沢な夏旅
お店の入口には鮎の生け簀があります。子どもたちが元気に泳ぎ回る鮎に夢中になっていると、お店の人が鮎を捕獲しにやってきました!メニューにある鮎の活き造りは、鮮度が命。オーダーが入ってから捕獲し、捌くとのことです。食事への期待が膨らみます!
長良川の鮎は、高知県友釣連盟主催の「清流めぐり利き鮎会」で、2008年(平成20年)にグランプリを獲得しました。2007年(平成19年)には商標登録され『郡上鮎』ブランドが認定されたほか、2015年(平成27年)には「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定。館内アナウンスでも歴史や郡上鮎についての豆知識が流れているので、価値を知って食すことによって、より贅沢な気分にさせてくれそうです。
待合スペースには、江戸時代・郡上藩主青山氏へ鮎を献上していたという「みやちか」の歩みや、ヤナ漁の方法を伝える展示物や映像があり、楽しみながら待ち時間を過ごせるよう工夫されています。また、写真撮影ができる鮎の被り物が置いてあり、店内からも生け簀を眺めることができるので、子どもたちも飽きることなく過ごすことができる気遣いもうれしいですね!
「みやちか」には郡上美並の山々と清流・長良川を大パノラマで楽しめるテーブル席やウッドデッキテラスがあるほか、個室や40名まで入る宴会場もあります。どの席からも大自然を眺められる造りです。今回は子連れということもあり、個室へ案内されました。バリアフリーになっているので、ベビーカーや車いすのお客様も安心ですね。
メニューはこちら。悩みます。先ほどお店の人から活き造りのお話を伺ったので、ぜひ食べたい!と、活き造りが含まれる「ながら膳」(5,000円)を選びました。コースは3,500円~。単品での注文も可能です。かつて藩主や皇族に献上されていた天然鮎をこの価格で味わえるなんて、良心的!
「ながら膳」の内容は、先付・甘露煮・南蛮漬け・活き造り・塩焼き・から揚げ・鮎フライ(地元野菜添え)・鮎雑炊(時に鮎飯)・香の物・デザートです。天然鮎6匹+α(雑炊分)とたっぷりと堪能できる内容です。この日の先付はぜんまい。コースターは、流木をスライスして作ったお手製なのだとか!甘露煮は、素焼きした鮎150~180匹を大鍋に入れて、7時間ほど炊いたのだとか。頭も骨もやわらかくて、子どもたちも丸ごとペロリ。甘すぎず、上品な味わいでした。素焼きしたものをさらに揚げて、酢漬けした南蛮漬けもツンと来ない程度の酢が食欲をそそります。そして登場したのは、捌いたばかりの活き造り。鮎のお口がパクパクしていて子どもたちびっくり!プリップリで身が締まっているのがよくわかります。
続いては、から揚げと鮎フライ。どちらも背割りしてあって食べやすい!フライの方は大骨を抜いてあるので、丸ごとパクつくことができます。地元で採れた野菜には、「みやちか」オリジナルソースをつけていただくのだそう。オリジナルの「極上 鮎ソース」は塩漬けした天然鮎の内臓と郡上味噌を使ったもので、鮎の香りが閉じ込められています。郡上味噌の甘みと郡上鮎ならではのさわやかな香りのコラボレーションは、郡上ならではですね!から揚げは二度揚げしてあり、パリッパリで骨まで美味しい!山椒と塩が利いていて大人の味わいです。
そして、鮎と言えば塩焼き!「今日は大きな鮎をご用意できました!」とお店の人が言うように、どっしりと大きく、きれいな姿です。身がギュッと締まっていて、肉厚で、鮮度が高いためか小骨もほろっと取れました。ここでは、ヤナ漁で獲った天然鮎を、生け簀で72時間生かすことで泥や砂利・藻を吐かせてお腹をキレイに濾過。天然鮎を最高の状態にする極意の元、もともと美味しい郡上鮎をより美味しくいただけるよう手間暇をたっぷりとかけているとのこと。苦みの少ないハラワタを味わうのもオツです。「今まで食べた鮎の中で、一番おいしい!」という子どもたち。小骨に苦戦することなく、モクモクと集中してキレイに鮎を食べきりました。
〆は鮎雑炊です。鮎雑炊はかつお出汁が利いていて、サラリと味わえてホッとします。「わさびは途中で入れるのがオススメですよ」とお店の人のアドバイス通りにしてみると、お腹いっぱいなのにお茶漬けのようにスルスルとお腹に収まりました。デザートには、弾力のある抹茶のわらび餅。最後までとても上品な味わいでした。一品一品とても丁寧に作られているのがわかり、さらに料理が運ばれる度にお店の人が丁寧に説明をしてくれたので、よりゆったりと味わうことができました。
食事のあとは、子どもたちのお待ちかね!ヤナ場で水遊びです。
目前に広がる雄大な長良川と山々。迫力ある大自然の中で、美しく澄んだ水遊びができるなんて贅沢の極み!このヤナ場は、全国有数の大きさを誇ります。多い時には10万匹以上の鮎を獲ることができるのだとか。大きくカーブする淵が近くにあり、地形に恵まれているのがその理由です。鮎は群れて動く習性があり、淵があることによってその集団がさらに集まりやすくなり、ヤナ場へと一気に落ちてくるのだそう。本格的な漁は10月で、増水時には一晩中鮎がヤナ場へ落ち続け、一晩で数万匹獲れることもあるそうです。
このヤナ場で遊べるのは「みやちか」で食事をした人限定です。時間無制限なので、思う存分遊ぶことができます。キレイに澄んだ水は見た目よりも流れが速く、足に当たると飛沫を上げて子どもたちは大喜び!
残念ながら鮎の姿は見つけられませんでしたが、ザブザブと水の中を歩き、透明感のある水の中にいるだけで大興奮です。流れが速いので、ヤナ場の上に座ってスライダーのようにシューッと滑る楽しみを見つけたり、水の勢いでTシャツが膨らむのを発見して大笑いしたり…。ヤナ場のおかげで深みにはまることがないので安心して遊ばせることができます。遊び方次第では全身びしょ濡れになることもあるので、着替え・タオル、水の中で滑らないウォーターシューズは必須アイテムです。水着があってもいいかもしれません。
大人も子どももうれしい、大自然を全身すべてで楽しめる贅沢な旅。天然鮎とヤナ体験は夏だけでなく10月末まで楽しむことができます。郡上美並の大自然に触れて、贅沢な時を過ごしてみませんか?
この記事を書いた人
TABITABI郡上 編集部
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